新人ケアマネが失敗しないために知っておくべきショートステイの確認ポイント

ショートステイの施設の団らん
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ショートステイ利用の目的を明確にする

ショートステイの利用目的を明確にすることで、提供するサービス内容を適切に調整できます。

  • レスパイトケア:家族の負担を軽減するために利用するケースがあります。この場合、利用者だけでなく家族の状況も確認しましょう。
  • 急なケアニーズ対応:家族の急用や一時的な体調不良になった場合など、緊急対応としての利用もあります。
  • ADLの悪化:利用者のADLが悪化し、家族や訪問介護だけでは対応しきれない場合に利用します。この場合は何か原因になる疾病があるかまずは病院受診してください。
  • 虐待からの非難:同居家族からの虐待が発覚し、緊急に別の場所への避難が必要な場合に利用することもあります。これは行政や地域包括支援センターと協力して進めていきます。

利用者の健康状態の確認

利用者の健康状態を把握することは、ショートステイを安全に提供するために欠かせません。状態が安定していないと利用をお断りされる場合があります。

健康情報の収集

  • 基礎疾患の確認:糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある場合は、管理方法を明確にしておきます。
  • 服薬情報の確認:服薬が必要な場合、薬の種類や服用方法をきちんと把握しておくことが大切です。
  • 食事制限の有無:アレルギーや特定の食品の制限がある場合、施設スタッフに正確に伝える必要があります。

サービス提供時間と内容の確認

ショートステイでは、提供するサービスの時間と内容を明確にすることが重要です。

サービス内容の確認

  • 入浴の有無:利用者の希望や健康状態に応じて入浴サービスが必要かどうかを確認します。
  • レクリエーションの計画:レクリエーションが提供される場合、その内容が利用者に適しているか確認しましょう。
  • リハビリの有無:リハビリが提供されるかどうかも確認し、必要であれば利用者に適したプログラムを提案します。

限度額の確認と申請手続き

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院に入所(短期入所を含む)した場合、食費および居住費(滞在費)は全額自己負担になります。介護保険料とは別の支払いになります。

基準費用額(第4段階)

項目令和6年8月
居住費
(1) ユニット型個室2,066円
(2) ユニット型個室的多床室1,728円
(3) 従来型個室1,728円(介護老人福祉施設と短期入所生活介護は1,231円)
(4) 多床室437円(介護老人福祉施設と短期入所生活介護は915円)
食費1,445円

介護保険利用料+食費および居住費(滞在費)=利用者負担

ただし、利用者負担第1~3段階に該当する方は、「特定入所者介護(介護予防)サービス費負担限度額」の申請を行うことで、食費・居住費の負担が軽減されます。

役所に申請をした月からの適用になりますので忘れずに申請しましょう
申請はご家族にお願いしましょう。生活保護受給者でなければ資産の確認があったり通帳が必要になります。
生活保護受給の方も申請が必要です!

負担段階対象要件預貯金等の基準
第1段階本人および世帯全員が市(区町村)民税非課税で、老齢福祉年金受給者、生活保護受給者単身1,000万円以下、夫婦2,000万円以下
第2段階本人および世帯全員が市(区町村)民税非課税で、課税年金収入額+非課税年金収入額+その他の合計所得金額が年間80万円以下の方単身650万円以下、夫婦1,650万円以下
第3段階①本人および世帯全員が市(区町村)民税非課税で、課税年金収入額+非課税年金収入額+その他の合計所得金額が年間80万円超120万円以下の方単身550万円以下、夫婦1,550万円以下
第3段階②本人および世帯全員が市(区町村)民税非課税で、課税年金収入額+非課税年金収入額+その他の合計所得金額が年間120万円超の方単身500万円以下、夫婦1,500万円以下

では詳しい金額についてはどうでしょうか。
1日の料金はこちらです。

負担段階利用者居住費の負担限度額施設サービスの食費負担限度額短期入所サービスの食費負担限度額
第1段階ユニット型個室880円300円300円
ユニット型個室的多床室550円300円300円
従来型個室550円300円300円
多床室0円300円300円
第2段階ユニット型個室880円390円600円
ユニット型個室的多床室550円390円600円
従来型個室550円390円600円
多床室430円390円600円
第3段階①ユニット型個室1,370円650円1,000円
ユニット型個室的多床室1,370円650円1,000円
従来型個室1,370円650円1,000円
多床室430円650円1,000円
第3段階②ユニット型個室1,370円1,360円1,300円
ユニット型個室的多床室1,370円1,360円1,300円
従来型個室1,370円1,360円1,300円
多床室430円1,360円1,300円

ご本人の収入や財産、利用する居室の種類によって大きく金額がちがいますね。
このほかに介護利用料がかかります。

緊急時の対応体制を確認

ショートステイ中に緊急事態が発生した際の対応方法についても確認しておくことが必要です。

緊急連絡先の把握

  • 家族の緊急連絡先:緊急時に連絡を取るべき家族の情報をメモしておきます。地域によっては市内に家族がいないと利用をお断りされる場合があります。
  • 医療機関との連携:利用者が急に体調を崩した場合に備え、近隣の医療機関やかかりつけ医の連絡先を確認します。

利用者・家族・施設との連携と情報共有

利用者、家族、施設スタッフとの連携を強化することで、利用者がより快適に過ごせる環境を整えます。

サービス担当者会議の開催で情報共有と詳細を詰める

サービス担当者会議の風景
  • ケアプランの共有:利用者のケアプランを事前に施設スタッフと共有し、サービス内容について共通理解を図ります。
  • 個別の注意点の伝達:利用者ごとに注意が必要な点(例:夜間のトイレ介助が必要など)を伝え、スタッフ全員が把握できるようにします。
  • 送迎の時間の確認:送り出す家族の仕事の都合、それに伴い施錠が必要になるのか等、詳細に話し合いましょう。

利用者と家族への説明

ショートステイを利用する際には、利用者とその家族に対して事前にしっかりと説明を行うことが重要です。

説明すべき内容

  • サービス内容と費用:どのようなサービスが提供されるのか、またそれに伴う費用について丁寧に説明します。
  • 利用の流れ:ショートステイ利用の流れや必要な準備について具体的に説明し、安心感を提供します。
  • 洗濯について:洗濯は業者に依頼したり家族が洗濯物を取りに来たりする場合もあります。施設で洗濯をしてくれることもあるため、事前に確認しましょう。
  • 嗜好品の持ち込み:おやつやジュースなどの嗜好品の持ち込みが可能か、または施設内に売店があるかを確認しましょう。

まとめ

新人ケアマネとして、ショートステイの確認ポイントをしっかり押さえることで、利用者とその家族に安心してサービスを利用してもらうことができます。
利用目的の把握、健康状態の確認、料金説明、限度額申請、施設との連携など、各ポイントをしっかりとメモに取り、的確に対応していきましょう。