こんにちは、ケアマネジャーのまるです。
今回は、介護の現場でよく聞かれる「なぜ老人保健施設(老健)に入所を断られることがあるのか?」というテーマについて解説します。実際の現場でも、「空きがあるのに入れない」というケースは少なくありません。その理由について、分かりやすくお伝えします。
■ 老健は“在宅復帰”を目的とした施設?
まず知っておきたいのは、介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰を目的とした施設だということです。
つまり、老健は「最期まで過ごす場所」ではなく、「一時的に介護やリハビリを受けて、できるだけ自宅に戻ることを目指す場所」なのです。
ですが!私の経験では、最後まで置いてくれる老健もあったりします…。最後まで置いてくれるけれどもリハビリには力をいれていない老健、経営上入所者が必要な老健…。
実際に入所前に私が担当していた利用者さんは老健に入所してかれこれ5年ほどになります。
ただ、相談員の方からは、「別の施設に申し込みをしていて待っている状態であれば良い」と言われていますが老健のほうが料金的に安かったので(段階ありますので市役所に聞いてください)ご家族は気が進まず別の施設へは申し込んでいません。
■ 入所を断られる主な理由3つ
①②③まではよくある理由、④は私の経験から追加しました。
① 医療的ケアが多すぎる
たとえば、点滴や痰の吸引など、医療処置が頻繁に必要な方は、老健での対応が難しくなることがあります。状態が落ち着いていないと断られることがあります。
② 在宅復帰の見込みがない
老健の役割はあくまで“在宅復帰”なので、ほぼ寝たきりでリハビリが難しい方や、すでに在宅復帰の意思がない方は、受け入れを断られることがあります。
③ 家族との連携が取れない
在宅復帰には、家族の協力が不可欠です。家族との連絡が取れない、あるいは退所後の生活設計が立てられない場合、老健側も対応が難しくなります。
④薬の費用が高額
老健への入所希望者が薬を服用している場合、施設側がその薬の費用負担を考慮するケースがあります。もし薬の費用が高額になりそうだと判断されると、入所を断られる可能性が出てきます。
このため、事前に相談員との面談では、現在服用している薬の種類や量を詳しく伝えることが非常に重要です。
こうした情報を基に、施設が適切な受け入れ対応を準備できるかどうかを判断するため、相談員からこれらの質問を必ずされます。
📺 ショート動画はこちら:老人保健施設の入所、断られる理由
■ 対応のヒント
老健の入所を希望する場合は、ケアマネジャーとよく相談し、必要な医療処置の有無や、在宅復帰の可能性について整理しておくことが大切です。
また、老健以外にも特別養護老人ホーム(特養)や介護医療院など、他の選択肢もあるため、希望と状況に応じて柔軟に検討することをおすすめします。
■ まとめ
老健は「空いていれば誰でも入れる」というわけではありません。その人の状態や目的に応じて、適切な施設選びが大切です。断られる可能性も視野に入れて検討しましょう。